提言案1により、渚となる領域を確保できますが、糸魚川の海岸は侵食海岸として有名で、一時的に造成しても数年・数10年と経過すると次第に侵食され、渚が無くなる可能性があります(添付資料15)。粗い砂利は人工リーフの岸側に残りますが、細かい砂などは、人工リーフの岸側から沖側へと移動することが実験によってわかっています(添付資料16)。このため、砂利による渚の再生を図る場合はよいのですが、細かい砂浜の再生を考える場合、定期的に砂を投入するようなメンテナンスを行うか、砂が海の流れによって移動しても海岸線が安定するような構造物を建設する必要があります。提言案2では、後述の海岸線安定化の構造物を提言案1に付加した案を提言します。この方法はヘッドランド工法(添付資料18)と呼ばれ、人工のヘッドランド(岬)を複数建設してヘッドランド間に安定した小さな湾(ポケットビーチ)を形成させます。この工法では、波の方向や沿岸流が季節によって変化してもポケットビーチ内の砂の量は安定しています。この案の場合、メリットと課題は次の通りです。